プリウスの「ATF交換不要」は本当?答えはNOです

HVの「ATF交換不要」は本当?答えはNOです

「HV(ハイブリッド車)のATFは、交換なしでも大丈夫」

そう信じているのは、ユーザーだけではなくプロの中にもいるそうです。

確かに自動車メーカーのマニュアルではHVのATF無交換をはっきりと示している場合もあります。

では、HVのATFは普通車のATFのように汚れることはないのでしょうか?

答えは、NOです。

HVの多くのATは、普通車のATのように変速ギアを使用していないとはいえ、中では金属と金属がこすれ合っていますから、使用頻度に応えてフルードも必ず汚れていきます。さらに高熱により酸化も進みます。

HVの整備や車検の時にはぜひATFもチェック依頼しましょう。

たとえ初回車検のクルマでも、フルードはびっくりするくらい黒くなっています。

「これで本当に無交換で大丈夫?」

多くの整備スタッフの方々は、そう疑問に思うはずです。

 

無交換の本当の意味

では自動車メーカーでは、なぜHVのATF無交換をマニュアルに明記しているのでしょう?

その理由は日本の乗り方にあります。

国土の狭い日本では、乗用車の年間走行距離数はせいぜい1万キロというところ。欧米のように毎年数万キロも走るユーザーはめったにいません。

その平均的な車齢(クルマに乗る期間)は約8年ですから、1台のクルマを購入してから乗り換えるまでの走行距離数は8万キロ程度となります。

実はメーカーがHVのATF無交換を示すのは「その程度の距離なら、ATが壊れることはない」という意味からなのです。事実、トヨタHVではシビアコンディションで10万キロごとのATF交換を推奨しています。

ガソリンと電気で走るHVとはいえ、ATも普通車のAT同様に常時使用しますから、フルードが劣化する異音や燃費低下などの不具合が出てきます。

実際、クルマの走行距離が長い欧米では、HVのATFも2万キロごとの交換が常識となっています。

つまり、メーカーではメンテナンスフリーの観点から「HVのATF無交換」をうたっているものの、より快適にHVに乗り続けるなら、普通車のATF同様に定期的な交換が不可欠です。

 

プリウスATの仕組み

それでは、HVのATと何が異なるのでしょうか。

ここでは市場で最もメジャーなプリウスを例に説明していきます。

オートマチックトランスミッションの構造は、エンジンの回転速度に応じ、トルクコンバータや変速ギアなどにより自動的に変速比を切り替える仕組みです。

ところがプリウスのATには、変速機やベルトなどは一切使われていません。トランスミッションは遊星ギアのみという、実にシンプルな構造。これにエンジン、モーター、発電機をつないで電子制御することで無段階変速を実現しています。

確かにHVのATは、構造がシンプルな分、フルードの劣化が緩やかという側面はあります。しかし、ATを動かすのに比例して、金属摩耗・スラッジは確実にフルード中に混じっていきます。特に新車からの乗り始めは、ギア類が馴染むまで初期摩耗でフルードが汚れやすくなります。

 

今後、ますますHVが増えていく市場環境を考えますと、お客様にご納得いただける「HVのATF交換サービス」を含むアフターサービスをお届けできますよう、精進して参ります。

 

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